私の専門の「ダイバーシティ経営」は、単に組織に女性や障がいのある人を増やすということではなく、「成果を生み出す」ための、現状の可視化や、具体的な訓練・制度を提供していますが、何より大切で時間をかけて積み上げていくのが、一人ひとり個人のダイバーシティ経営で成果を作るための、知識と意識、スキルの向上です。

その一つが、思考訓練。

思考訓練というのは、脳の柔軟体操、ストレッチのようなものなので、一つのテーマを多面的に検証したりするという自主トレ、です。

例えば、私が指導しているワークショップで使うのは、ディベートの訓練。

ディベートとは、2つのチームに分かれて、Aという意見とBという意見で議論をするのですが、ゲームとしては、どちらの意見主張が納得性があったか、などを審判が決める、という形で行います。
これを「ダイバーシティ思考を育てる」ために私が行うのは、第1ラウンドで勝者チームが決まった後、主張を交換して、Aを主張したチームがBを、Bを主張したチームがAを、という形で、第2ラウンドのディベートをするのです。

ここで、脳のストレッチができます。

10分前までAを論理的に主張してきた自分が、Bを論理的に主張する立場になることで改めてBの気持ちや論理を考えることで、1つの事案やテーマを別の立場に立って考えて議論するという体験をするのです。

企業での戦略会議も、人事評価会議も、賞罰会議も、営業会議も、政治教育も、平和教育も、いろいろなシーンで、このディベート研修を使って欲しいです。私は、さまざまな、私の名付けですが「リバーストレーニング」を行ってきており、これがダイバーシティ人財を育成する、思考の柔軟性を養う一つの方法だと思っています。

私が設立した日本初の働く女性たちの異業種勉強ネットワークで、35年ほど前!このトレーニングを提供していたら、参加者の女性から「佐々木さんは、意見をコロコロ変える人財を育てようとしているのですか! 10分前と違う立場で主張するような、そんな勉強をするなら、私は退会します」と言って退会された方がいました。

いえいえ、これは、そういうことではなく、Aの立場とBの立場に身を置いて考えてみるという、自分の内側の多様性を広げる、脳のストレッチ運動なんです。

ぜひ、皆さんも、一人でもできるので、何かの課題やテーマがあったら、賛成と反対と両方の立場で考えてみるなど、脳がずっと柔らかくいられるように、訓練続けてくださいね。