2008年12月01日

父からの贈りもの

 今日、会社で片づけをしている際、思い出の品に再会しました。……▼ブリタニカ
 それは、小学生の頃、多分3年生くらいの時に、父が買ってくれたブリタニカの英語の百科事典。当時、横浜で庭付き1軒家の家賃の10倍以上もした高価な品です。開いて紙を持っても切れない、とかで特製の木の本棚に全23冊が入っていました。友人のほとんどが、一般の百科事典を買ってもらっていたのに、我が家は父が、日本語のものは買ってくれず、英語の百科事典のみだったのです。「読みたければ、読めるようになって、これを読みなさい」。無謀な父の決断を、何度悲しんだことでしょう。しかし、大学生になって、上智大学市谷キャンパスで英語で授業を受けるようになってからは、毎日のように活用し、使うことができた喜びと安堵を感じたのを覚えています。
 そんなたくさんの思い出のあるブリタニカの百科事典は、ずっと、オフィスに置いてありました。しかし今日、廃棄することにしました。オフィスの改装でおく場所もなく、きれいに保存されていないことが原因です。なんだかとっても空しいですが、、、写真を撮って、心に刻むことにします。なくなった父からの贈り物。今日は、ちょっとさみしい気持ちです。でも、昔を思い出して、温かい気持ちにもなりました。

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この記事へのコメント
心にしみるお話しに感謝します。お父さまは聡明かつ本物のぜいたくなプレゼントをされたのですね。愛する娘が英語を使える日までの約十年の時間を、「心の中に成長した未来の愛娘がいきている舞台」として用意されたのですね!素晴らしいプレゼントですね。プレゼントとは、「今」という意味があるそうですが、お父さまには、今の喜びだったと想像いたします。「むなしい」と感じられた、少し淋しいお気持ち、当然ですよね。淋しいです。その淋しさが、雲の上に登って、天使が翻訳してくれることをご存知ですか?

ム(無限に広がる)ナ(なつかしい)シ(しあわせな)イ(いのちの温かさ)

雲の上で、天使のメッセージにとびっきりの笑顔でこたえるお父さまの想いを想像するだけで、私も ああしあわせ!です。神様感謝します。
Posted by 中田 秀治 at 2008年12月04日 16:31
お住まいに置くことは無理なのでしょうか??
Posted by おかみ at 2008年12月04日 13:04
思いやりのある、やさしいお父さんですね。
今の、佐々木さんの原点のような感じがします。
Posted by いで at 2008年12月04日 11:41
私ももったいないと思います。
ぜひ、「廃棄」じゃなくて、近くの小学校にでも
寄付なさったらよいのではないかと思います。
近くに住んでいたら、ゴミ捨て場の前で見張っておくんですけどねぇ…。
Posted by BLUE** at 2008年12月03日 04:38
思い出と愛着のある書物に感謝を込めて、一冊づつに署名して、その書物を必要とする方にオークション形式で売却してみるのはいかがでしょうか。収益金は、歳末助け合いに寄付をしてみたらいいのかもしれませんね。あくまでも一読者の意見ですが...いかがでしょうか。
Posted by hirolint at 2008年12月02日 15:12
とても大切なお品物を手放されるということで、何だか自分のことの様に胸に傷みます。小学生に高価な英語の百科事典を買い与えるお父様には先見の明があったということでしょうか。現在まで保管さていたということできっと喜んでいらっしゃると思います。また、御社の守り神だったのかもしれませんね。
Posted by レッズ at 2008年12月02日 12:42
拝読してビックリいたしました。「廃棄」ではなく、どうぞ、神田などの古書店に出されてはいかがでしょうか。状態によって査定はされますが、古い辞書や百科事典は研究用に使われることがあります。本の処理については、多くの方が悩んでいると思います。古書市場に戻すことをどうぞお考えになってみて下さい。プロにはプロの目があり、見定めて、処理をしてくれると思いますが、いかがでしょう。
Posted by biblio at 2008年12月02日 00:28