佐々木かをりの「今日の想い」

　サイクロンで、ミャンマーに大きな被害が出ています。……▼

問題は、自然災害にとどまらず、救援のための人たちにも政府がビザを発行しないというところにもあります。海外からの救援部隊の入国ができず、深刻な事態です。
　私は1991年に、サイクロン被害の取材に行ったことがあります。バングラデシュで10万人以上の死傷者が出たというときのことです。その悲惨な様子。一方で、悲しんでいられないくらい厳しい状況で日々を生活する子供たち。生きることの強さをみたのも、この時でした。そして私はバングラデシュの人たちが、とても好きになったのです。
　人の命に、違いがないはずなのに、2万人以上死亡というこの地域の現状は、あまり大きなニュースになりません。サイクロンと聞くと、バングラデシュを思い出す私は、もしこれだけの人がアメリカで亡くなったら、日本で亡くなったら、どんなふうに報道されるだろうかと想像しながら、ミャンマーの今に想いを向けています。報道は、しっかり意志を持って見ていく必要があると思います。