2007年06月25日

個人情報保護?

 先日、図書館から電話がかかってきました。……▼
娘宛の電話でした。外出中と答えると、返却確認が取れない本の話になりました。長い話を短くすると、もし見つからないなら、買ってお持ちしますので、なんという本ですか、と私が聞くと「個人情報なので教えられません」と一言。
 子供が借りた本をなくしたかもしれないのに、子供本人でないと、本の名前も教えてもらえない。それでは、探せないし、買えませんね。小中学生の場合、本人が弁償することもできないでしょうし。なんだか、「個人情報保護」の考え方が間違っているような……。結局図書館は、先方の間違いかもしれない、とのことで本の名前は娘にも教えてくれなかったようです。(娘は、本を年間100冊以上図書館から借りているので、どの本の話かわからないのです)。今度、週末に、娘と一緒に図書館に行って、よく聞いてきたいと思います。
 確かに、「誰が、いつ、どんな本を借りたか」という情報は個人情報ですが、何歳の子供から、そうなるのでしょう? もし、3歳の子供の図書館カードで借りた絵本だったら、どうなるのだろう。この辺も、今度、聞いてみようと思います。職員の方は、ルールを守っているだけなのでしょうが、どうもチグハグな感じです。
Posted by kaorisasaki1 at 21:53│Comments(12)
この記事へのコメント
度々すみません。そもそも今回の佐々木さんの文に何故コメントしたかですが

>職員の方は、ルールを守っているだけなのでしょうが

という、図書館員という専門職に携わる方々への敬意を欠いた発言に不快感を覚えたためで、また

>子供本人でないと、本の名前も教えてもらえない
>なんだか、「個人情報保護」の考え方が間違っているような

と、我が子も独立した人という認識の弱さ(お子さんのプライバシーより、親としての責任感からでしょうが、図書館から求められてもいない弁償を優先してしまう)を露呈したことへの意外さもあります。

前者についてはURLに「図書館の自由の宣言」を入れますのでまずは参照いただくとして。

後者は、とはいえ私もつい我が子を我がものと見てしまう時があるので、お子さんの成長を日頃見守っているように見受けられる佐々木さんもそうなのかとある意味ほっとした側面もありますね(笑)
Posted by yono at 2007年06月27日 23:18
すみません!先のコメントのURLに誤って、こちらのページにリンクを張ってしまいました。
正しくはこのコメントのURLになります。

先のコメントの続きです。

そもそも現行個人情報保護法にこのセンシティブ情報保護に関する記載がないこと自体問題だという見方もできるでしょう(これは私に限った考え方でなく、日本弁護士連合会の指摘でもあります)。

りんださんが挙げられた「図書館の自由に関する宣言」もある業界というか分野におけるガイドラインのひとつと考えれば(むしろこちらは憲法レベルのものだと思うのですが)、「個人情報」という言葉を「濫用」したというのは、ちょっと言いすぎではないのかなあと思えます。

まあ、確かに、猫も杓子も個人情報の昨今、今回のことについてもそのような感想を持たれるのもしかたないのかなあとは思うのですが……
Posted by yono at 2007年06月27日 22:47
Lilyさんのコメントにつきまして。
私も業務の必要から個人情報保護について学んだきりなので、以下誤りがあればご教示ください。

確かに現行個人情報保護法だけを見れば個人情報=個人を特定できる情報という狭い定義におさまっています。
しかし、その他経産省や業界毎のガイドライン、JIS等まで見渡せば、今回のような「センシティブ情報」(と私は思うのですが)も広義の“個人情報”としてより厳格に守られるべきものという考え方が共通認識としてたちあらわれてくるのではないでしょうか。
たとえばプライバシーマーク取得事業者には、センシティブ情報の収集は原則認められていません。

文字数制限の為すみませんが以下につづきます。
また「センシティブ情報」についてはお手数ですがURL先のページをご参照願います。
Posted by yono at 2007年06月27日 22:41
個人情報保護法に関わる仕事をするものです。法律で言われている「個人情報」というのは個人を特定する情報のことです。図書の貸出情報は図書館の貸出履歴にアクセスすれば特定可能でしょうが、一般的にはそれだけでは個人は特定できないと思われます。しかし、「図書館司書として守秘義務」について関係者・経験者さんのコメントがありましたので、そのとおりなのだと思います。つまり、図書館司書の方は「個人情報」という言葉を濫用したのでしょう。正しくは、「守秘義務がありますので、教えられません」というべきだったと思います。
Posted by Lily at 2007年06月27日 07:11
それぞれ共感します。「個人情報保護の過剰反応」は私も実感します。今回は「貸し出し内容は個人の【プライバシー】にあたるので、小学生以上の場合は、本人以外には教えられません」と言えばよかったのかも!? 図書の貸出情報については、親が思う“子ども”と、図書館カルチャーの“子ども”の基準が違うという点も、興味深いです。
Posted by APRIL at 2007年06月26日 19:26
佐々木さんの指摘も、そしてりんださんのお話にも、それぞれ共感します。「個人情報保護の過剰反応」は私も実感します。図書の貸出情報については、親が思う“子ども”と、図書館カルチャーの“子ども”の基準が違うということで、興味深いです。ただ、何でもかんでも「個人情報」という言葉を使うと、本当にりんださんの言うような権利保護なのか、ただ勘違いしているだけなのか誤解を招くとは思います。「貸し出し内容は個人のプライバシーにあたるので、小学生以上の場合は、本人以外には教えられません」というように話せば良いのかなと思いました。
Posted by APRIL at 2007年06月26日 19:23
図書館の仕事をしています。yonoさんの意見に補足です。
今回の図書館の対応は,「図書館の自由の宣言」(1954採択1979改訂)で明確に述べられている国民の「知る自由」を守るための図書館としての当然の対応だと思います。電話をかけた図書館員の対応にカチンとこられたのだと思いますが,自分の意思で資料を選び貸出手続きをとることのできる年齢以上であれば,大人も子供も関係ありません(その意味で,3歳の子供なら保護者に教えてくれるはずです)。ここでは「弁償するのは親だから」という理由は,別の話です。
図書館には,本が無料で借りられるという便利な機能もありますが,そもそも「人々の知る自由を保障し守る」重要な使命があり,それを守るために,図書館員は「誰がいつ何を借りたか」その保守義務に命をかけてます。過剰な個人情報保護というだけではない深い問題なので,これを機に御一考いただけると幸いです。
Posted by りんだ at 2007年06月26日 17:29
 うーん、過剰な個人情報保護には、私も参ります。
学校の連絡網が、5〜6人に限られ、それ以外の方へ連絡しようと思えば、自分の知人の中での(知りたいお子さんと)同じ幼稚園出身の方、昨年同じクラスだった方、習い事が一緒、同じマンション、社宅とめぐり聞き、そりゃーもう大変です。 
 反面、下の子の、学級代表の役員をしているため、下のこの連絡先はすべてわかるものの、学校から「教えないように!」と釘をさされているのも事実です。
 今は困っていませんが、上の子の時は遊び仲間でもA君がB君の電話番号教えて、と言われて、先方に「教えてよい?B君だけど?」といちいちお伺いを立てて、教えていました。
あー、めんどくさい。
 でも、何事も過剰なぶれ?があって、定着していくのでしょうが・・・
Posted by マライヒ at 2007年06月26日 11:04
わが子の借りた本の題名を教えてもらえない・・・
私にも経験あります
対応がわかっていたので、あまり気に留めてませんでした

それにしても、年間100冊はすごいですね
見習いたいです
Posted by 月野 at 2007年06月26日 04:27
個人情報を保護する目的を考えて対応してもらいたいです。先日職場に定年退職した方から電話があり、自分の退職年月日を教えて欲しいとのこと。すぐに管理部門へ問い合わせたところ、個人情報なので目的を文書にして提出してくれないと回答できないとのこと。本人だということはとりついだ私もよくわかっていたし、それを保護することに何の意味があるのか疑問でした。個人情報なので、、と言い付けはちゃんと守っているのかもしれませんが、定年まで働いてきた方に対して大変失礼な対応で、社内の人間としても少々腹立だしく思いました。保育園や学校から名簿や連絡網がなくなり、特に働く母は学校への行事参加も少なく、把握しづらいため、あれこれ詮索することはタブーですが、最低限のクラスメイトくらいは知っておきたいなあと常々思っています。
Posted by アイーダ at 2007年06月26日 00:53
娘さんは確か小学高学年だったでしょうか。ご自身が選んで借りられたものなら、家族といえども借りた本を話さないというのは、図書館員さんとしては至極もっともな対応だと思いますね。これは個人情報が世間で云々いわれる前からのことで、図書館員は、誰が何を借りたかを他の人に知らせてはならないというのが職業上の義務であり倫理ですから。司書教諭になり損ねた者として(笑)ちょっと職員さんを擁護してみました。
Posted by yono at 2007年06月26日 00:44
 こんにちは。私も個人情報保護法に基づく対応には、チグハグを感じることがあります。特に、上記のように家族の情報を教えてもらえないというのは、不便な感じがします。現場の人はマニュアルに従わなければいけないので、疑問を感じつつも実行しているのだとは思いますが。
Posted by べんじゃみん at 2007年06月25日 22:45